はじめに
漫画の主人公の王道と言えばヒーローのようなキャラクターだと思います。しかし中には王道のヒーロー像から外れたダークヒーローやアンチヒーローと呼ばれるキャラクターが主人公を務める名作があります。
普通の主人公が「正義の味方」であるとすれば、その反対は「悪の敵」。ゆがんだ正義感を持った主人公や闇落ちした主人公などを対象として今回の記事では取り上げていきます。
DEATH NOTE
この手の話題で外せないのが『DEATH NOTE』ですよね。
名前を書かれた人物の命を奪うことができる「デスノート」という死神のノートを手に入れた主人公の夜神ライト。デスノートを使って犯罪者を抹殺し、犯罪者のいない新世界を作り上げようとします。しかし、世界一の名探偵であるLを始めとし、それを止めようとする人たちとの頭脳戦が繰り広げられます。
世界から犯罪をなくすという目標は聞こえはいいものの、かなりの数の命を奪っていることには違いなく、まさしく偏った考えで動いている主人公です。
コードギアス
日本を植民地としている超大国ブリタニアの少年ルルーシュは日本でギアスという特殊能力を手に入れます。この能力は「目を合わせた相手に一度だけどんな命令もきかせられる」というもの。
この能力に加えて持ち前の優れた頭脳を用いてブリタニアへの反逆を実行します。
ルルーシュはいわゆる悪役の立ち位置から国家転覆を狙いますが、その幼馴染である枢木スザクがいわゆる主人公のような立ち位置で常にルルーシュを止めようと動きます。
これこそがアンチヒーローものといえる作品であり、物語の最後まで自分の意思を貫き通す主人公のカッコよさには泣かされます。
チェンソーマン
主人公のデンジは死んだ父の借金を返すために「チェンソーの悪魔」ポチタとともにデビルハンターとして働いていましたが、仕事を斡旋していたヤクザに騙され、「ゾンビの悪魔」によって殺害されてしまいます。
そのとき、ポチタが心臓になることによって復活したデンジはゾンビの悪魔を一掃したところ、公安のデビルハンターであるマキマに拾われます。
デンジには普通の正義感みたいなものはなく、凶暴かつ過激な描写が多く描かれます。誰が敵で誰が味方かすらもわからないほど複雑な物語が展開されていきます。
東京喰種トーキョーグール
人間社会に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人喰種(グール)が蔓延する東京が舞台。
大学生である主人公のカネキは喰種であるリゼに襲われて瀕死となりますが、落下した鉄骨がリゼに直撃することで一命を取り留めます。しかし、その事故による手術の際にリゼの臓器がカネキに移植され、半喰種になってしまいます。
普通の人間として生活することが困難となってしまった主人公は人間と喰種の狭間で揺れ動きながら苦悩していきます。
進撃の巨人
巨人により滅亡されかけた人類は三重の巨大な壁に囲まれた内側で生活するようになっていました。しかし、突如外側の扉が巨人によって破壊され、主人公であるエレンたちは死の淵に立たされ、母カルラは巨人に捕食されてしまいます。
何とか逃げ延びたエレンは巨人を一匹残らず駆逐することを決意します。
物語序盤は巨人対人類というシンプルな構造と思われていましたが、物語が進むにつれて巨人の謎や世界の謎が明かされていきます。
その中で主人公エレンは様々な苦悩を抱え、ヒーローとは程遠い動きを見せるようになります。
まとめ
この記事で振り返った『DEATH NOTE』、『進撃の巨人』、『コードギアス』、『チェンソーマン』、『東京喰種』は、それぞれが独特のダークヒーローやアンチヒーローを描き、読者に深い印象を与えています。これらのキャラクターたちは、正義と悪、善と悪の境界線で揺れ動きながら、彼らなりの信念や正義を追求します。彼らの物語は、私たちに複雑な人間性や倫理について考えさせ、その魅力は簡単には色褪せることがありません。最凶のダークヒーロー・アンチヒーローたちを通じて、あなたも新たな視点や感情を探求してみてはいかがでしょうか。