はじめに
北海道、その広大な自然と豊かな文化は、数多くのクリエイターに無限のインスピレーションを与えてきました。特に漫画界では、北海道出身の才能ある漫画家たちが次々と世界を驚かせる名作を生み出しています。本記事では、そんな北海道出身で、国内外にその名を轟かせる超有名漫画家6人をピックアップしました。『鋼の錬金術師』の荒川弘から『刃牙』シリーズの板垣恵介、『うしおととら』の藤田和日郎、『銀魂』の空知英秋、『ルパン三世』のモンキーパンチ、そして『WORKING!!』で知られる高津カリノまで、彼らの背景と作品世界を探ります。
荒川弘
荒川弘先生は北海道中川郡幕別町出身。
代表作は『鋼の錬金術師』『銀の匙 Silver Spoon』『アルスラーン戦記』など、傑作ぞろいの超実力派漫画家です。
北海道の農業高校を卒業されているため、その当時の農業に従事していた作者自身の実体験をもとにエッセイ漫画『百姓貴族』を描かれています。『銀の匙 Silver Spoon』も同様に作者の実体験をもとに描かれているため、かなりリアルな農業高校の生活が描かれています。
それに対して、『鋼の錬金術師』は完全にファンタジー作品であり、全く違う作風でありながらシリーズ累計発行部数は8000万部を超える大ヒット作品です。
板垣恵介
板垣恵介先生は北海道釧路市出身。
高校時代は少林寺拳法に励んだり、陸上自衛隊第一空挺団所属しているときにはアマチュアボクシングで国民体育大会に出場したりと、格闘家に対する憧れの強い方です。
そのため、『グラップラー刃牙』から始まる刃牙シリーズや、『餓狼伝』など各党漫画の分野において、圧倒的な人気を誇る漫画家さんです。
『BEASTERS』の作者である板垣巴留さんは実の娘さんです。
詳しくは以下をご覧ください。
藤田和日郎
藤田和日郎先生は北海道札幌市出身。
代表作は『うしおととら』『からくりサーカス』『双亡亭壊すべし』などがある、超実力派漫画家です。
子供のころから読書好きで、小説『地獄のハイウェイ』が自分の原点であり高橋留美子のホラー短編『闇をかけるまなざし』を読んで漫画家を目指すようになってそうです。
そのため、藤田先生はホラー漫画やダークファンタジー漫画など暗いテーマの作品を主に手掛けています。
空知英秋
空知英秋先生は北海道滝川市出身。
ペンネームの由来は北海道の空知地方らしいです。
代表作は『銀魂』であり、その酷すぎる下ネタと熱すぎるシリアス展開、急に挟まれる感動エピソードのギャップにやられた読者は多く、累計発行部数は5800万部を超える大人気作品です。
自身の見た目は武田鉄矢に似ていると公言していますが、漫画上では自分のことをゴリラとして描いています。
『銀魂』以外の作品は読み切りばかりであり、どれも『銀魂』単行本に収録されているため、ぜひ読んでみてください。めちゃくちゃ面白いです。
モンキー・パンチ
モンキー・パンチ先生は北海道厚岸郡浜中村出身。
代表作は『ルパン三世』であり、1967年に連載開始された古い作品でありながら現在のアニメ化されたりするほどの人気を誇る超傑作となっています。
ただし、アニメ版の義賊的なルパンの性格とは異なり、ルパン本人の美学に忠実ながら殺人やレイプを厭わない悪党として描かれ、逆にジョークや人情味は少ないのが特徴。
『ルパン三世』以外にも『復讐屋』『シンデレラボーイ』『MUSASHI -GUN道-』など多数のアニメ化作品を手掛けています。
漫画制作に積極的にコンピュータを取り入れられた方で、「デジタル漫画協会」を設立して初代会長に就任されました。
高津カリノ
高津カリノ先生は北海道出身。
代表作は『WORKING!!』『サーバント×サービス』『ダストボックス2.5』などであり、主に4コマ漫画を描かれている大人気漫画家です。
『WORKING!!』はファミリーレストランで働く主人公たちの日常を描くコメディ漫画であり、『サーバント×サービス』は区役所で働く主人公たちの日常を描くコメディ漫画ですが、作者自身がファミレスや区役所に勤めていた経験があるそうです。
高津先生の作品はキャラクターたちの掛け合いが面白いだけでなく、登場人物の多くはカップルが成立するのが特徴です。
まとめ
北海道から世界に羽ばたいたこれらの漫画家たちは、それぞれに異なる背景と独自の世界観を持ち、多様なジャンルの作品でファンを魅了し続けています。荒川弘の緻密なストーリーテリング、板垣恵介の圧倒的なアクション描写、藤田和日郎の創造力あふれるキャラクター、空知英秋の独特なユーモア、モンキーパンチの革新的な冒険物語、そして高津カリノの心温まる日常描写は、それぞれが漫画の可能性を広げ、多くの読者に夢と感動を与えてきました。彼らの作品を通じて、北海道の豊かな自然と文化がいかにアーティストの創造性を育んでいるかが見て取れます。これらの漫画家たちの足跡をたどることは、漫画というメディアの奥深さを改めて認識する機会となるでしょう。